本日は松本さんの告別式。
非常に残念。


松本さんのご冥福を心よりお祈りするとともに、残されたご家族の方々がお気持ちを強く持たれることを心よりお祈り致します。


以下は私の回顧録です。
長文、乱文ですみません。




松本さんと私の出会いを少し思い出してみた。
  1999年に自転車通勤をしようと思って5万円ぐらいのスポーツ自転車を探している時に、一度、松本サイクルまで足を運んだ。でも、この時は自分の思ってる自転車を買うとこではないなって感じで、前を素通りした。店に入ってたら大きく?人生が変わってたかもしれんが、その時はまだ縁がなかったんやろうな。
  2001年にロードが欲しくなって、レースにも出たいという気持ちがあったので、再度、松本サイクルへ。店に入るのは勇気がいった(^_^;) 松本さんは初めに僕の気持ちをいろいろ聞いてくれた。何がしたいのかとか、私の気持ちを汲んで提案をしてくれた。で、今も乗っているAnchorを買うことになったのだ。カーボンフォーク一つ勧めるのでも、実際にカーボンとアルミのフォークで地面を叩いて振動吸収性の違いを目の前で見せてくれた。こんなん多かったよなぁ。いつも、なるほどって思わされた。すると欲しくなるんだよな。松本さんの罠だ。必ず罠にはまるのよね(^_^)
  ビンディングペダルを付けたことのない私に、お店で付け外しの練習をさせてくれた。店の前で初めてAnchorの試走をするときには、右後ろから車が来てないか確認してから出発しなさいって言われた。私は小学生じゃないんだからとか当時は思ったけど、そこまで懇切丁寧に言ってくれるなんてありがたいよな。今でも右後ろを確認するときには、そのことを思い出す。
  心拍計を買ったときは、店の中でAT値を測定してもらった。これがきっつい。最後はめー一杯まで踏まされる。データ見ながら、ええ心臓してまっせってお世辞なんか言われて、しんどさもどっかに吹っ飛んでたなぁ。レース後の心拍データの解析はほんまおもしろかった。どっかでずーっとレース見てたんかと思うような事も度々やった。お店での長話も楽しかった。自転車、レースから阪神の話まで盛り上がった。ええ雰囲気やったなぁ。


  初めてレースに連れて行ってもらったのは2001年の秋Ritsだ。前日から興奮して寝れんかったし、レース後に松本さんらメンバーと飲んだのは今でも記憶に新しい。次の年の美山はほんま楽しかった。大勢で大部屋で泊まって、めちゃ飲んだ。朝起きたら一升瓶とかワインの瓶が一杯転がっとった。あんなレースはあれ以来ないな。
  松本さんとこにチューンナップを出すと、ほんと不思議なぐらい走るようになって自転車が戻ってくる。ヘタなDuraよりも松本チューンナップの105の方が走るよなって思ってた。もう一回チューンナップして欲しかった。
  ある雨降り後のレースの時に、チームメンバーが落車、パンクが相次いだ。私は幸い切れながらも完走した。完走直後、松本さんは何気に私のタイヤを触ってた。後で思ってたのだが、触りながらどれぐらいの空気圧で走ってたのかチェックしてはったような気がする。ほんまもんのプロだよな。


  松本さんが2005年に入院され、春頃にお見舞いに行ったときに驚いた。体調的にもかなりきつい時だったと思うのだが、自転車の話が止まらない。この人はホント自転車が好きなんやと思った。その前向きな生き方で一度は奇跡的な復活をされた。そして、今のONIXを組んでくれた。松本さんがONIXはええでって勧めてくれたんで、心が動いた。その時もわしの腰のことまで考えて、ONIXを勧めてくれはったんや。昨年の秋Risで、皆で入院の時とかの話をしながら笑っとった。あれからまだ一年しか経ってないんやで。信じれん。
  今年、実業団登録して2戦しか参戦でけんかったけど、2戦ともサポートしてくれはった。もっと良いレースを見せれればよかったんだけどな。松本さんが興奮できるような。いつも、「踏め、踏め」とか「がんばれ」って沿道から低い声で応援してくれた。随分、力をもらった。


  松本さんが入院されてから、自分が随分松本さんに依存していたことを自覚させられた。今、亡くなられて、また大きな穴が空いてもうた。
  今思えば、松本さんのために走ってる部分も多かったな。いいレースをすれば、松本さんも一緒に興奮してはったし、いつも見守ってくれてはった。一緒にレース回顧してるときは楽しかった。もちろん、これからも松本さんのために走るやろう。その気持ちはきっと変わらん。
  松本さんには、ほんま多くのものを頂いた。自転車、レースの興奮、いろいろなものの見方、考え方。何より多くの自転車仲間と会えた。これが一番やろな。松本さんは顔も広かったしな。お葬式で集った面々は、松本サイクルのドアをノックせんかったら会わへんかったメンバー。自分の人生の中でも大きな1ページを残してくれはった。
  皆のblogを見てて、また涙があふれてきた。今日は涙腺緩いなぁ(^_^;)。意外に松本さんと写ってる写真ってないんだよな。なんぼでも書くことあるけど、そろそろお終いにしようと思う。切りがないから。


  松本さんも残されたご家族のことが一番心残りやろうと思う。病に勝てへんで悔しかったやろな。残されたご家族の事を思うと、心が痛む。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。


僕らはこれからも松本さんの組んでくれた自転車で走るで。


松本さん、ほんまありがとう。